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マルチイオン治療でがん治療 QSTが世界初開始 難治性がんの治療効果向上に期待

量子科学技術研究開発機構(QST)のQST病院の今井礼子治療課長らの研究グループは、骨軟部肉腫に対するマルチイオンを用いた「重粒子線がん治療」を開始した。今回の炭素と酸素のイオン線を用いて同じ日に治療することは初めての試み。難治性がんに対する治療効果の向上が期待されている。

臨床研究は脊索腫を除く、腫瘍の体積が400cc以上の骨軟部肉腫の患者計10例に対して行っている。治療は準備を含め約30分で、照射時間は約15分だった。炭素と酸素の2種のイオン線の切り替えも順調であった。

複数種のイオン線を用いて、腫瘍内の線量だけでなく放射線が失うエネルギー量(LET)の分布を制御する治療法をQSTはマルチイオン治療と呼ぶ。この技術の治療計画装置や照射制御装置の実装が完了し、実現できる環境が整ったことからマルチイオン治療が安全かつ有効であることを確認するため研究を行っている。