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胞巣状軟部肉腫のオンチップモデルを開発 京大・東京医科大・がん研究会が 新たな治療法開発にも貢献 

京都大学と東京医科大学、がん研究会のグループは、胞巣状軟部肉腫(ASPS)を模倣した「ASPSオンチップ」を開発し、腫瘍形成時に血管新生を誘導する血管新生因子が輸送される仕組みを生体外で再現することに成功している。米国時間22日付の米学術誌のオンライン版に掲載される予定。これは新たな治療法開発にもつながる可能性がある。

ASPSは希少がんである軟部肉腫の1つ。若年世代に頻発し、全身に転移することも多い予後不良な疾患だ。研究グループはオンチップによる模倣により、細胞内輸送促進因子「Rab27a」と「Sytl2」が血管新生を誘導することを実証した。

研究グループは「ASPSオンチップを用いて各因子の機能をさらに明らかにすると共に、血管新生因子の輸送を阻害する薬剤開発などを通して社会に貢献していく」とコメントしている。