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『智証大師円珍関係文書典籍』がユネスコ「世界の記録」に登録

「智証大師円珍関係文書典籍―日本・中国の文化交流史―」(申請者:宗教法人園城寺、独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館)が、ユネスコ「世界の記録」に登録されることが決定した。24日までフランス・パリで開催されたユネスコ委員会で了承された。一方で、同じくわが国から申請されていた「増上寺が所蔵する三種の仏教聖典叢書(大蔵経)」(申請者:浄土宗、大本山増上寺)は、登録決定には至らなかった。

智証大師円珍関係文書典籍―日本・中国の文化交流史―は、中国・唐に渡り、日本に密教の教えをもたらした智証大師・円珍に関連する史料群。日本と中国の文化交流の歴史や、当時の唐の法制度・交通制度を知ることができるとともに、円珍が唐から持ち帰った唐代の通行許可書の原本が含まれるなど、大いに貴重な史料。全て国宝。

ユネスコ「世界の記録」は、世界的に重要な記録物への認識を高め、保存やアクセスを促進することを目的とし、ユネスコの事業として1992年に開始された。同事業を代表するものとして、人類史で特に重要な記録物を国際的に登録する制度が 1995 年より実施されている。

1997年に、現存する世界最古のコーラン(ウズベキスタン)が登録されるとともに、20021年は「ゲーテの直筆文学作品、日記、手紙等」(ドイツ)、2003年に「人権宣言」(フランス)が登録された。