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石川県の「白山手取川」が世界ジオパークに ユネスコが認定

5月24日(現地時間)にフランス・パリで開催された第216回ユネスコ執行委員会で、石川県白山市等の「白山手取川」がユネスコ世界ジオパークとして認定された。今回18地域が新たに認定され、ユネスコ世界ジオパークは合計48か国195地域となった。「白山手取川」は国内で10番目のユネスコ世界ジオパークとなる。

「白山手取川」は、世界を代表する中生代白亜紀前期の化石産地であり、東アジアで最初期の古生物学的研究が行われた場所となる。恐竜を含む多種多様な動物化石や植物化石が報告されており、多くの種の生物進化と東アジアの白亜紀の環境を考えるうえで世界的にも重要な地域といえる。

同地域の最高峰である活火山の白山周辺は、世界的にも最も低緯度に位置する豪雪地帯であり、また、隆起速度の速い地域。短い手取川における上流から下流までの変化は、激しくかつ高速な日本の地形発達を象徴しており、激しい変動帯である日本列島と日本海側の多雪という自然環境の特徴がよく表れた地形がみられる。

白山は、古来より雪山の象徴として受け止められ、〝越のしらね〟として文学の世界でも1000年近い歴史を持つとともに、全国に白山神社が約3000社と広がる白山信仰は、日本有数の山岳信仰ともなっている。

なお、「白山手取川」の登録地域の一部は、白山ユネスコエコパーク(正式名:生物圏保存地域/Biosphere Reserves(BR))と重なるとともに、白山国立公園等の保護地域にも指定されている