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スパコン『富岳』が7年連続世界トップに HPCGのランキング結果【理研】

理化学研究所(理研)と富士通㈱が共同で開発し、2021年3月に共用を開始したスーパーコンピュータ『富岳』は、世界のスーパーコンピュータの性能ランキングの〝産業利用などの実際のアプリケーションでよく用いられる共役勾配法[2]の処理速度の国際的なランキング〟である「HPCG(High Performance Conjugate Gradient)」で、7期連続の世界第1位を獲得した。

「TOP500」では「Frontier」(米国)が第1位となり、『富岳』は第2位となった。また人工知能(AI)の深層学習で主に用いられる単精度や半精度演算処理に関する性能ベンチマーク「HPL-MxP」(旧名称「HPL-AI」)では、「Frontier」(米国)が第1位となり、『富岳』は第3位という結果となった。

これらのランキングは、現在ドイツ・ハンブルクのコングレス・センター・ハンブルクとオンラインで開催中のHPC(ハイパフォーマンス・コンピューティング:高性能計算技術)に関する国際会議「ISC2023」で、5月22日付(日本時間22日)で発表された。

「HPCG」での7期連続の第1位獲得と「TOP500」の第2位と「HPL-MxP」の第3位の性能は、引き続き『富岳』の世界最高の総合的な性能を示すものといえる。理研などでは、新たな価値を生み出す超スマート社会の実現を目指すSociety 5.0で、シミュレーションによる社会的課題の解決やAI開発、さらに情報の流通・処理に関する技術開発を加速するためのHPCインフラの役割を「富岳」が十分に発揮できることを実証するものと意義を強調している。