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生徒の英語力向上にはICTの活用を 文科省、英語教育実施調査結果を分析(その1)

 文部科学省は、令和4年度英語教育実施状況調査結果とともに、生徒の英語力向上に関する分析結果を公表した。同省では、小中高校の生徒の英語力の向上には、相関分析や取

組の変化に着目した経年変化分析の結果、「生徒の言語活動の割合」「英語教師の英語力や発話の割合」「ICTの活用(発表や話すことにおけるやり取りをする活動)等が影響を与えている。また、今回新たに把握したCEFR B1(英検2級)レベル相当以上の英語力を有する生徒の割合が高い高校では、ICTを活用した言語活動やALTによる授業外の活動を行っている学校が高い割合でみられたことから、生徒の英語による言語活動を増やすこと、言語活動の取組やICTやALTを効果的に活用すること、教師が英語力を高め授業で積極的に英語を使用することなどが、生徒の英語力の向上に必要だとしている。

■小学校英語教育担当者■ 小学校の英語教育は、学級担任が行っている状況が多くみられる。あわせて、学級担任以外の専科教師等の活用も一定の割合でみられる。小学校教師のうち中・高校英語免許状を所有している割合は6.9%だった。

■中学生の英語力■ CEFR A1レベル(英検3級)相当以上を達成した中学生の割合は、目標(50%)に対して49.2%となっているものの、着実に改善が進んでいる。一方、都道府県・指定都市による差がある。特に課題が見られる自治体の状況を把握・分析し、英語教育の改善・充実につなげることが必要。CEFR A1レベル相当以上の中学生の割合は、昨年度比2.2ポイント上昇している。

■高校生の英語力■ CEFR A2レベル(英検準2級)相当以上を達成した高校生の割合は目標(50%)に対して48.7%となっているものの、経年で着実に改善が進んでいる。CEFR B1レベル(英検2級)相当以上を達成している高校生の割合は、21.2%となっている。

■高校生の学科別の英語力■ 全ての学科において、CEFR A2レベル(英検準2級)相当以上を達成した高校生の割合が増加している。CEFR B1レベル(英検2級)相当以上を達成した高校生の割合は、普通科で27.6%、英語教育を主とする学科及び国際関係に関する学科で57.1%、その他の専門学科及び総合学科で6.7%となっている。

■児童生徒の英語による言語活動の状況■ 小学校において9割以上の学校が半分以上の時間、言語活動を行っている。中学校の7割以上の学校が半分以上の時間、言語活動を行っている。高校では、全体の5割以上の学校が半分以上の時間、言語活動を行っている。

■言語活動の内訳 言語活動(時間)を10としたときの「話すこと」の割合の平均は小学校で6.59、中学校で4.99となっている。言語活動(時間)を10としたときの「話すこと」の割合の平均は高校第1学年全体で4.82(英語教育を主とする学科及び国際関係に関する学科では5.22)。

■パフォーマンステストの実施状況 小学校では「話すこと」を評価するためのパフォーマンステストを実施している割合は97.2%とほぼすべての小学校で実施している。中学校では「話すこと」「書くこと」のパフォーマンステストを両方とも実施している割合は、90.1%となっている。高校では48.6%の学校で「話すこと」「書くこと」の両方のパフォーマンステストを行っている。