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原子力機構など6機関 資源のリサイクル技術を進化させる新たな視点 レアアースの抽出技術向上

日本原子力研究開発機構の上田祐生研究員など6機関からなる研究グループは、抽出剤として使われる「マロンアミド」がパラジウムとネオジムの2種類の金属を分離するときに、見たことのない性質を示すことを発見した。

研究チームは、複数の金属イオンや抽出剤が油相や油と水の界面でつくるナノスケールの「超分子集合体」と呼ばれる構造に注目。そして、この超分子集合体が金属イオンの分離にどのように影響を与えるかを調べた。

抽出剤は、分子内に親水的な部分と疎水的な部分をあわせ持つことから、界面活性剤のように油と水のように通常混ざらないものが集合体をつくることが予想される。だが、これらの集合体について理解はほとんど進んでいない。

そこで、X線と中性子線を用いた分析を進めた結果、マロンアミドの超分子集合体によるパラジウムイオンとネオジムイオンの認識能力や界面での集合体の分散状態の違いが、このような現象を引き起こすことが判明した。

研究グループは「この成果を通じて、中性子線とX線を活用した分析が強力なツールになることが示された」とし「今後は、様々な貴金属やレアアースの抽出技術の向上だけでなく、原子炉の使用済燃料の再処理や高レベル放射性廃液処理に関する抽出技術の高度化にも貢献できる可能性がある」とコメントしている。