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ヘクタール規模の草地でマメ科植物の分布をAIで簡単に把握(第18958号)

 農研機構は、ドローン空撮画像と人工知能(AI)を用いて、イネ科牧草とマメ科牧草が混播された牧草地におけるマメ科牧草の被度(植物の群落を構成する各種類が地表面をどの程度覆っているか)を簡便に推定する手法を開発した。

 放牧や採草を行う牧草地では、飼料の生産性や品質の向上を目的としてイネ科牧草とマメ科牧草の混播栽培が広く行われている。イネ科牧草は牛にとって主食で、エネルギー源として体を動かす力になり、胃の働きを整えて健康を保つ役割もある。さらに、イネ科牧草だけでは不足しがちなタンパク質やミネラルなど、良質な牛乳や畜産物の生産に必要な成分をマメ科牧草により補うことができる。混播栽培のメリットを最大限に引き出すためには、草地内のマメ科牧草の割合を把握し、飼料中のマメ科牧草を適正な割合(約30%)に維持する必要がある。

 農研機構はこれまでに、ドローンで撮影した空撮画像をAIで解析し、画像上のマメ科牧草の被度を簡便に推定する植生評価手法を、牧草品種特性評価のための小規模の試験ほ場を対象に開発してきた。この技術の評価対象は小規模の試験ほ場に限られるが、生産現場である大規模生産ほ場への応用への期待が寄せられていた。

 研究グループは、空撮画像に高精度な位置情報を付与し、各画像の推定結果を草地全体として面的に統合・マッピングできるようにすることで、小規模試験ほ場で開発した手法をヘクタール規模の大規模生産ほ場へ展開可能にした。これにより、広大な草地におけるマメ科牧草の分布を簡便に把握でき、マメ科牧草の被度が低く根粒菌による窒素供給が少ない箇所への施肥や追課の播種(追播)など、精密で効率的な草地管理を支援できると考えられる。

 こうした適切な草地管理は、酪農・畜産経営や自給飼料生産の効率化、持続性の向上に貢献し、乳製品の安定的な生産・供給を通じて国民生活を支える重要な基盤技術となることが期待される。