東洋大学が文部科学省へ申請した「環境イノベーション学部」と大学院「環境イノベーション学研究科」の設置届出が、6月19日に受理された。「環境イノベ学部」は、社会変化とともに複雑化する環境問題に対し、デジタル技術や科学コミュニケーションを活用しながら新たな解決策を探究する学部。来年4月に川越キャンパスに開設し、自然豊かなキャンパスをフィールドとした学びや企業・団体などとの積極的な連携を通じて、実感・実体験を重ねながら未来の環境を変革する力を養う。学部・研究科開設に向けては、環境への配慮を取り入れた新校舎を川越キャンパス内に建設で、来年1月完成に予定。来年4月に「環境イノベ学部」と同研究科を開設すると、東洋大は15学部52学科・専 攻と大学院16研究科を擁する総合大学となる。
ここ数年、環境問題は、気候変動や生物多様性の保全など、一層複雑化している。脱炭素社会の実現に向けて、環境問題に対する専門的な知識・技術をもつ人材への需要は高まっているが、2050年まで にカーボンニュートラルの達成を表明している自治体の約9割が外部人材の知見を必要としているなど、グリーン分野での人材不足が課題となっている。
また、これからの環境問題の解決には、データ分析やAIなどのデジタル技術の活用が不可欠。2030年にはAIやデータサイエンスを含む先端IT人材が約54.5万人不足するとの予測もあり、デジタル人材の不足も深刻化している。
さらに、環境・デジタル分野の知識や技術を備えるだけではなく、それらを社会に広く伝え、社会実装へとつなげるための科学コミュニケーション力も重要となっている。このような背景から、環境 問題に挑む科学的知識とデジタルスキル、科学コミュニケーション力を備えた人材を育成する「環境イノベ学部」を開設する。
環境イノベ学部では、社会変化を踏まえた環境問題の解決や持続可能な社会の実現に必要な科 学的知識とデジタル技術を活用する「環境創造力」、さらに多様な立場の人々をつなぐ「科学コミュニケーション力」を養う。これらの力を通じて、複雑化する環境課題の解決に挑む人材を育成する。
同学部では、企業や団体との連携に加え、キャンパス内に広がる約 5ha の里山「こもれびの森」や環境配慮型の新校舎など、学びの場そのものを教材として活用し、実感と実体験を重視した教育を行う。
また、こうした学びの背景にあるのが、同大の学びの礎にある〝哲学する姿勢〟。同大の教育理念であ る物事の本質を深く考える力と、主体的に社会課題に取り組む実践の姿勢で環境問題に向き合う。