順天堂大学医学部附属順天堂医院が、手術支援ロボット「ダビンチサージカルシステム」の製造販売元であるインテュイティブサージカルの日本法人であるインテュイティブ サージカル合同会社との間で、日本初の「トータルプログラム・オブザベーションサイト」(TPOサイト)の立ち上げについて基本合意した。
TPOサイトは、確立されたダビンチ手術プログラムを持つ医療機関が、同手術を導入済み、または導入を検討している医療機関の医療従事者や経営層に対し、効果的なロボット手術プログラム運用に必要な要素をpeer‐to‐peer(直接的に)で包括的に学ぶ機会を提供するもの。
TPOサイトとして運用を開始するには、三つ以上の診療科でダビンチによるロボット手術プログラムを実施している、二つ以上の診療科でダビンチ手術見学サイトとして機能している、また、ダビンチのアドバンステクノロジーやデジタルテクノロジーを積極的に活用している―といった実績が必要となっている。
順天堂医院は2013年にダビンチを導入し、現在では10診療科で年間900件近いダビンチ手術を行っている。比較的進行した病態の患者にもロボット支援手術を適用していることが、同病院の特徴のひとつ。医療機関の経営が厳しくなりつつある日本においてロボット支援手術をさらに拡大するためには、病院経営の観点でロボットの導入が負担にならないことが重要となっている。今回の基本合意を受けて順天堂大医院の山路 健院長は「当院のこれまでの知見を他の医療機関と共有するとともに、TPOサイトとしての活動を通じて、インテュイティブ社と共に課題解決に取り組んでいくことを楽しみにしている」と語った。
