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世界初のホタルガ化石 「オシキリウスバホタルガ」と命名

オシキリウスバホタルガの化石(提供:高橋唯博士)

慶応義塾大学と鹿児島大学の研究グループは、新種のホタルガ「オシキリウスバホタルガ」を発表した。同種の化石を発見した押切伸氏にちなんで命名されている。世界初のホタルガの化石となり、ガの化石が新たな種として報告されることも国内で最初の例となった。

オシキリウスバの化石は押切氏が秋田県湯沢市の約350万年前の地層から1995年に発見した。同市の展示施設「ジオスタ☆ゆざわ」で長年ヤガ科の仲間として展覧されていたが、チームの高橋唯博士と相場博明博士は化石がヤガの仲間でないことに気づき、同施設から標本を借りて2023年から研究をしていた。

その結果、化石は国内に存在しない「ウスバホタルガ」の新種であると判明した。オシキリウスバの翅(はね)の特徴は、ウスバホタルガ属内の種よりも近縁のホタルガに共通しており、オシキリウスバがウスバホタルガとその仲間をつなぐ存在の可能性があるという。

グループの高橋唯博士は「押切先生が収集し、地元の人たちが大切に守ってきた化石のバトンを確かに受けとれた」と説明。「化石時代のガが進化して今のガにつながっているように、きっと今回の研究からもまた新しい研究にバトンが繋がっていくんだろうと思う」と述べている。