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石垣島でガクタヌキマメを47年ぶりに発見 初の線画を作成 中央大・東京農業大・広島大

ガクタヌキマメ(提供:中島一豪・客員研究員)

中央大学と東京農業大学、広島大学などの研究チームは、絶滅が疑われていた植物「ガクタヌキマメ」を47年ぶりに発見したと伝えた。国内産としては初となる線画を作成し、形態の記載もしたという。

ガクタヌキマメは高さ30から90センチ程度のマメ科の植物で、日本では西表島と石垣島に生息するとされる。寿命は1年ほど。約半世紀にわたって日本での生息は確認されておらず、推定開花株数が50個体未満の「絶滅危惧IA類」に分類されていた。

調査では石垣島を1キロ平方ずつの格子状に分けて探索。その結果、島内にある牧場で発見された。複数の個体が確認され、状態は良好だったという。牛の放牧により、環境が維持されて存続につながったと分析している。

中島一豪・客員研究員は「石垣島・西表島の草地を網羅的に調査した結果、本種が生息する草地はこの地域に極限され、生息地範囲も数十平方メートル程度である」と紹介。「地権者と協力し、保全に向けて取り組んでおり、本種の生息環境の復元や域外保全を見据え、生息に適した環境条件を定量的に評価していく必要がある」とコメントしいている。

国内産のガクタヌキマメについて、全体像、花、果実種子を描いた初の線画