東京大学の安田講堂
東京大学の川上憲人特任教授と北里大学の堤明純(つつみ・あきずみ)教授らのグループは、労働者の孤独とその要因を調査した。週に61時間以上働く人はさびしさを感じる頻度が約2倍になり、労働者の12人に1人が孤独を感じていると分かっている。
研究では国内企業で働く人を対象に昨年10月、オンラインでアンケートを実施。およそ2万4000人から回答を得た。
その結果、回答者が仕事で感じる孤独の割合は8.3パーセント。女性に少なく、中高年者、未婚者、年収400万円以下の人に高い傾向にあった。業種別では製造業が高く、学術研究や専門・技術サービス業、教育などが低い傾向にあったという。
グループは長時間勤務する従業員が孤独を感じる可能性が高く、長い労働が危険因子になると紹介。仕事の打ち合わせや家庭生活、余暇活動が制限され、他者との関係を作りづらい環境になると分析している。また、中高年の孤独割合が高いことについて、仕事による人間関係を重視する傾向があるからだと評価した。