早稲田大学と岐阜大学は共同で、屋外設置が可能なテラヘルツ通信装置を開発した。24時間の屋外動作を可能とし、通信装置の姿勢制御機能を実装しアンテナ自動調整も実現している。先月の東京の大雪時のテラヘルツ伝搬(でんぱ)特性を計測し、今後のシステム設計に有用な情報の取得に成功した。
次世代移動通信システム「Beyond5G /6Gシステム」の基地局を接続するためのネットワークにおいて、一部を高速テラヘルツ通信が担う。テラヘルツ無線は雨や雪の影響を受けやすい課題があり、影響を評価する必要があった。また、ミリ波帯・テラヘルツ帯ではその波⾧の短さからアンテナ方向の精密調整が必要という課題もあったという。
グループは屋外設置が可能で無線LANなどと同じ規格に準拠したテラヘルツ通信装置の開発に成功した。その装置は実データの双方向伝送を可能としており、精度の高い機構設計と精密電動雲台による制御により、自動アンテナ方向調整を実現している。
研究グループは今後について「複数のテラヘルツ通信装置を連携させ、悪天候時にもおいても安定的に動作するシステムの実現を目指す」としている。開発したテラヘルツ通信装置の技術的内容については、5~8日に広島大で開催される電子情報通信学会総合大会にて発表予定。