文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL

文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL
東京薬科大がREADYFORと業務提携 クラファン2件を開始

東京薬科大学(所在地:東京都八王子市)は日本初・国内最大級のクラウドファンディングサービス「READYFOR」を運営するREADYFOR㈱(本社:東京都千代田区)と業務提携を締結し、7月24日に提携事業の第一号としてクラウドファンディングプロジェクトを公開した。

大学を取り巻く環境が日々変わっていくなか、さらなる教育・研究の活性化のために、国からの運営交付金や競争的資金に加えて、さまざまな形での支援獲得が重要になっている。その有力な手段としてクラウドファンディングを活用することで、各研究室の活動や大学の設備投資などに対する寄附金等を獲得する機会が拡がる。READYFORが業務提携を結んだ大学は、東京薬科大学が61校目となる。

今回新たに立ち上げた「東京薬科大学 × READYFOR」では、第一号として以下二つのプロジェクトを開始する。

■プロジェクト概要

①「増え続ける薬剤耐性菌のバイオマーカーを探索し、迅速診断への第一歩を」

〇ページURL:https://readyfor.jp/projects/skin-infections

〇実行者 :中南秀将(薬学部医療薬学科臨床微生物学教室)

〇目標金額:500万円

〇形式 :All or Nothing形式

※All or Nothing形式は、期間内に集まった寄付総額が目標金額に到達した場合にのみ、実行者が寄付金を受け取れる仕組み

〇公開期間:9月21日㈭午後11時まで

〇資金使途:強毒型MRSAのゲノム解析費用や、特定したバイオマーカーの有用性の評価にかかる費用など

〇概要 :近年、皮膚感染症患者の間で、薬剤耐性菌であるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の増加とともに、強力な白血球溶解毒素 Panton-Valentine leukocidin(PVL)を産生する、病原性の強い強毒型MRSAも急増している。しかし、現在の検査体制では「薬剤耐性菌である」という検査結果が出るころには重症化してしまう場合もあり、強毒型MRSAを迅速に診断する方法の開発が必要。クラウドファンディングでは、薬剤耐性菌感染症の迅速診断法を開発する第一歩として、強毒型MRSAのみが有する特異的な遺伝子(バイオマーカー)の解明と、見出したバイオマーカーの有用性の評価に挑戦するため、必要な研究資金を募る。

②「子宮内膜症と妊娠高血圧症候群の根治を目指す、治療薬の開発にご支援を」

〇ページURL:https://readyfor.jp/projects/EP2023

〇実行者 :草間和哉/田村和広(薬学部医療衛生薬学科内分泌薬理学教室)

〇目標金額:350万円

〇形式:All or Nothing形式

〇公開期間:9月21日㈭午後11時まで

〇資金使途:子宮内膜症の遺伝子解析、病変画像解析、老化除去薬スクリーニングに関する費用など

〇概要 :子宮内膜症は生殖年齢女性の約10%が罹患し、発症者の約50%が不妊症を併発する。さらに、妊娠高血圧症候群は妊婦の約10%が発症し、流産や母体死亡の原因に。どちらも使用される薬剤はあるが、完治が難しい病気。これらの病気に関与している可能性がある「老化細胞」に着目しているが、現時点ではその詳細な病態生理がわかっていない。薬の開発に必要な基礎研究〜臨床研究にかけて必要な資金を募り、まずは子宮内膜症の治療薬の標的を明らかにした上で、「老化細胞」の関与が疑われる妊娠高血圧症候群にも対象を広げる計画。