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ポルフィリンと分子上タングステン酸化物を合成 東大研究Gが分子光触媒開発 耐久性が改善

東京大学の鈴木康介准教授らによる研究グループは、可視光を吸収する「ポルフィリン」と1ナノメートルの化合物「分子状タングステン酸化物」を組み合わせることで、活性酸素を効率良く安定に生成できる分子光触媒の開発に成功した。29日付の米化学会誌オンライン版に掲載されている。

ポリフィリンは光を利用して活性酵素を生成でき、光がん治療などに応用されているが、活性酵素と反応することでポリフィリンも分解されてしまうことが課題であった。

研究では、ポルフィリンと分子状タングステン酸化物を複合化することで、活性酸素の1 つである「一重項酸素」の生成効率が向上するだけでなく、生成した活性酸素への耐久性が大幅に改善することが発見されている。

鈴木准教授らは「光エネルギーと酸素を高い効率で利用する環境に優しい化学反応の実現や医農薬品、機能性有機分子などの化学品の合成、資源循環や環境浄化に用いられる触媒としての応用が期待できる」とコメントしている。