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立命館大と丸善が協定 英文に特化した学術出版や学術成果の世界発信で連携

立命館大学と全国に書店を展開する丸善雄松堂は昨年12月、教育・研究事業に関する包括連携協定を締結した。日本初の英文に特化した学術出版(UPR)の実施・成果の世界発信や大学の人材育成などで連携協力する。特に今年春から、英文特化型出版刊行物等を含む立命館大の学術成果や学術資源の公開・収集・提供、地域や社会への発信に関わる事業を推進する。具体的には、UPRを立命館大・丸善雄松堂・海外出版社と連携して実施し、学術成果の世界発信を計画。世界的にも研究を 取り巻く課題となっているオープンサイエンス・オープンアクセスも射程に入れつつ、丸善雄松堂が擁する海外学術情報流通ネットワーク(海外出版社・出版業界等)を駆使し,立命館大の学術成果や学術資源を英語で世界に向け継続的に発信することで、世界の潜在的な利用者に情報を届け、立命館大の研究情報が世界で活用される基盤構築を目指す。

握手を交わす左から矢野正也丸善雄
松堂代表取締役と仲谷善雄立命館大学長

社会の変化が激しく、未来の予測が困難なVUCA時代で、これまで経験したことのない事 象への対応を考えるため、従来の考え方や方法とその延長線上の理解ではなく、知の堅実な蓄積 に裏打ちされつつ、新たな課題領域を切り開くような想像力ならびに創造力が必要となり、教育と研究を繋ぐ新しいまなびの形が模索されている。

立命館大は、学園ビジョンR2030「挑戦をもっと自由に」に基づき、「立命館大学チャレンジデザイン」を策定。「Ritsumeikan Knowledge Nodes構想(世界水準の研究・教育展開)」を核とした次世代研究大学の構築や、研究力の向上と教育の高度化をつなぐ教育の展開等を掲げ、先進的な教育・研究に取り組みを進めてきた。

一方、丸善雄松堂は「知を鐙す(ともす)」をミッションに掲げ、永年にわたり取り組んできた知の生成・普及、環境作りに関するノウハウと知とまなびに関する多種多様な事業リソースを活用し、学術 情報コンテンツ・サービスの開発、教育・研究機関や商業施設の空間づくり、図書館や教育施設の人材支援などの事業を行っている。

ブランド方針である「まなびのつながりを育む」に基づき、社会に広がる多様な〝まなび〟の場を、あらゆる側面から支える取り組みを進めている。

丸善雄松堂と立命館大は、これまでの取り組みの中で、世界に対しての国内の学術成果の発信 に課題を感じていた。今回の包括連携協定は、学術成果と学び、社会、世界をつないでいくということに対して、互いの進むべき方向性が一致していることを確認し合い、締結することとした。

両者は今後について「立命館大学における人材育成、新しい学びと研究の在り方を模索する際の企画や事業における連携・協力や、大学の研究高度化のための事業での連携についても検討を進めていく」とコメントしている。