日本電信電話(NTT)と日本大学は、通信波長の光に共鳴する希土類元素を添加した超音波素子を作製した。これにより、数ミリ秒の長い寿命を持つ光励起電子とギガヘルツ超音波のハイブリッド状態を生成することに世界で初めて成功した。将来的に省エネ量子光メモリ素子に応用される可能性がある。
NTTと日大は、希土類元素の1つ「エルビニウム(Er)」を添加した結晶基板上に超音波である「表面弾性波」を生成する素子を作製。約2ギガヘルツ(GHz)の振動ひずみを結晶表面に集中させ、Erの光共鳴周波数を高速変調することに成功している。
両社は「最表面のみにErを添加した材料の利用や、最表面のErだけ選択的に光アクセスできるような構造を導入することにより、ハイブリッド状態の均一性向上に取り組む」としている。