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宮崎大が企業、JAとコンソ 牛の顔認証個体識別を起点とする飼養衛生管理と防疫対策のDX化に着手

宮崎大学は、㈱デンサン、JA宮崎経済連と研究コンソーシアムを形成し、『牛個体識別AI×防疫対策プロセス 牛個体識別AIを起点とする飼養衛生管理と防疫対策のDX化』をテーマに、研究開発に着手する。生物系特定産業技術研究支援センター令和4年度補正予算と5年度当初予算「戦略的スマート農業技術の開発・改良」事業の採択を受けて取り組むもの。

近隣諸国では口蹄疫等の重大な家畜伝染病の発生が続いており、海外の感染症のわが国への侵入リスクも高まっているとともに、国内でも、牛伝染性リンパ腫や牛ウイルス性下痢といった消耗性疾患を引き起こす持続感染症がまん延している。

また、2003年に牛トレーサビリティ法が導入されて20年以上が経過するが、牛の個体識別は依然として目視による耳標番号の確認が主流であり、高齢化する畜産農家には大きな負担となっている。

同プロジェクトは、宮崎大の椋木雅之教授(工学部工学科情報通信工学プログラム)が研究開発している牛の顔で個体識別を可能とする『牛個体識別AIアプリ」の技術を起点に、四者共同で、さらなる高機能化と社会実装可能なシステムを構築するもの。また、この技術を応用することで、飼養衛生管理を徹底し、農場を家畜伝染病から守る防疫体制の整備を進める予定で、今後の畜産業での家畜防疫や生産のあり方を大きく変える可能性を秘めている。