文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL

文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL
高血圧予防へ動画制作とレシピ考案 女子栄養大が桶川市と 検診時活用し触接かつの実態把握

女子栄養大学は、包括連携協定を締結している埼玉県桶川市との取り組みとして、高血圧予防のため、尿ナトリウム/カリウム比(尿ナトカリ比)を下げる食生活の普及活動を進めている。活動の理由は、桶川市に住む40~74歳の「高血圧予備軍」(収縮期血圧130~139/拡張期血圧 80~89mmHg、かつ、降圧薬の服薬をしていない)の割合が、埼玉県全体と比較し、男女ともに高い傾向がみられたため。この活動の一環として、同大公衆栄養学研究室に所属する実践栄養学科の4年生2名が中心となり、若年層から高血圧予防となる食生活をするために、30歳代向けの尿ナトカリ比低下の啓発動画の作成と幼い子どもと共に食べることのできる、桶川市の農産物を使用した季節ごとのレシピ考案を行った。

高血圧の要因の一つである「食塩の過剰摂取」の状況を把握するために必要な数値が「尿ナトカリ比」。これは、塩分(ナトリウム)と余分な塩分を体外へ排出するカリウムのバランスのことで、尿ナトカリ比が低いと高血圧のリスクが低く、理想の尿ナトカリ比は2.0未満とされている。日本人の平均尿ナトカリ比は4.0と高い数値。

今回の取り組みでは、桶川市の30代男女と3歳3か月児の健康診査の尿検査で使用した残尿を用い、尿ナ トカリ比を測定し、さらに食生活に関する質問調査も同時に実施した。

その結果を反映させた動画・レシ ピ作成を桶川市と共同で行い、若年層(子育て世代)の市民を中心に高血圧予防の啓発活動に役立てる。

●YouTube 動画 ナトカリ比 DOWN 大作戦①~③:約5分の動画3本を視聴することで、「尿ナトカリ比」と高血圧について学び、日々の食生活で減塩するためのポイント、カリウムを多く含む食品(野菜・果物・乳製品)の摂取目標と食べ方の工夫を知ることができる。また、全ての動画で、令和4年度桶川市30歳代健康診査時の調査結果と照らし合わせ、実態に即した食生活の改善方法を説明している。

●桶川産農産物を使用した春夏秋冬のオケちゃんレシピ(主食・主菜・副菜・汁物・デザート):桶川市の農産物を使用し、カリウムたっぷり・おいしい適塩のレシピを桶川市に提案し、桶川市と共同で「春夏秋冬のオケちゃんレシピ」を作成。レシピは桶川市のホームページで公開されているほか、今後は市の広報誌にも掲載される。 また、冬のオケちゃんレシピは12月6日・22日に市内公立保育所(全 4ヶ所)で実際に提供された。