順天堂大学の室井健三准教授らの研究グループは、スマートグラスを活用した学生や患者、全体から見た多角的視点による教育コンテンツを開発した。教育の改善の可能性を示すとともに、課題を明らかにしている。
グループは患者視点と学生視点情報をスマートグラスで映像化し、全体視点情報をビデオカメラで映像化して、多視点遠隔作業視線システムで3つの映像をひとつのモニタ上で同期して観察できる多角的視点による教育コンテンツを開発した。
研究では客観的臨床能力試験(OSCE)受験予定者70人(対照群37人、スマートグラス介入群33人)にアンケートを実施。新たなコンテンツにより、介入群で模擬 OSCE での高得点化につながると予想したが、X線撮影条件の設定の一部で介入群に比べて対照群が有意に上昇していた。
研究グループは「教育現場に実装する際の課題が明らかにした。これらの課題を改善することでスマートグラスを用いた教育の改善が可能であることが示唆された」としている。