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障がい者と協働型ロボットの特性を発揮した製造ラインを構築 龍谷大と南山城学園が製造業分野で日本初の取組

「仏教SDGs」を推進する龍谷大学のユヌスソーシャルビジネスリサーチセンターと南山城学園は2021年6月に「KOUFUKU連携プロジェクト」を立ち上げ、同法人の「就労継続支援B型」事業所内に協働型ロボットシステムを導入し、センサーデバイスの製造ラインを構築した。

比較的重度の障がいがあることなdそから、障がい者向けの就労支援施設で雇用契約を結ばない形態「就労継続支援B型」での就労者の全国平均収入は、月額1万6507円(時間額233円)で最低賃金(全国平均)の約4分の1という状況にある。

一方、障がい者は多様な特性を持っており、個性の発揮の仕方によっては価値ある製品や作品を生み出しうることは、障がい者アートの分野でよく知られている。

今回のプロジェクトでは、福祉分野とこれまであまり連携がされてこなかった製造業とのコラボレーションによって、より高付加価値で高単価な製品を生産し、施設利用者の工賃の上昇を目指している。

また、KOUFUKU連携は製造業の人手不足や熟練者の引退に伴う技能消滅といった課題の解決にも寄与する可能性を秘めている。

ロボットシステムの導入にあたっては、ロボットメーカーである川崎重工業㈱、ロボットSIerであるJOHNAN㈱、協働型ロボットの普及について研究する京都大、センサー製品を開発する和歌山大等と連携し、製造業分野での初のロボットと障がい者の協働するシステム導入に向けて取り組んできた。

また、龍谷大の学生グループが、南山城学園やロボットメーカーでの調査をもとに既存の福祉作業所での工程の記録やロボットのもつ機能の洗い出しを行い、今後より多様な仕事を作り出すためのツールづくりにも取り組んでいる。

今後、同プロジェクトでは今年10月の製品の出荷に向けて基板製作・製品化に取り組むとともに、南山城学園の利用者や職員、地域社会に生まれた社会的インパクト(短期的、中長期的成果)の可視化にも取り組む。