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阪大が日本ゼオンと共同研究講座設置 CNに向けて先進触媒を開発

大阪大学は日本ゼオン㈱との間で、共同研究講座設置に関する契約書を7月1日に締結し、阪大大学院基礎工学研究科に『日本ゼオン・カーボンニュートラル先進触媒共同研究講座』を開設した。研究講座では、次世代型化学プロセスを支える先進的な触媒技術の研究開発を行うことで、カーボンニュートラルを実現する〝ものづくり〟を推進する。

カーボンニュートラルの実現に向け、化学工業ではエネルギー・資源の大量消費を伴う従来型の生産プロセスから脱却し、低エネルギー・低環境負荷型の化学プロセスを構築することが必要不可欠となっている。

こうしたなかで、物質の変換を担う〝触媒〟は、次世代型化学プロセスを支える中核技術であり、高機能性触媒の開発に対する社会要請は従来にも増して強くなっている。そこで、阪大大学院基礎工学研究科は日本ゼオンと共同研究講座『日本ゼオン・カーボンニュートラル先進触媒共同研究講座』を開設。カーボンニュートラルの実現に向けた、環境調和型超高性能触媒の開発に取り組むこととなった。

具体的な取り組み内容としては、高機能性ポリマーの創出に向けて、触媒活性種となる金属ナノ粒子のナノ、オングストロームスケールでの形状制御、金属の複合化・合金化、界面制御など様々な精密構造制御を行い、次世代型ナノ触媒の開発を行い、社会実装を目指す。

この取り組みは、最先端の触媒開発技術を有する阪大と独自のポリマー開発技術を有する日本ゼオンとが手を携え、カーボンニュートラルの実現に向けた先進触媒技術の開発により〝社会との共創〟を進めることを目的としている。

また、共同研究の場を阪大内に設けることで、企業の基礎研究力の向上、共同研究の加速、人財育成などの相乗効果を得ることも狙いとしている。