筑波大学の粉川実踏助教は、スパイスの抽出液に含まれるポリフェノール類やフラボノイド類の総量、抗酸化能や還元能などの特性を、光を⽤いて推定する⽅法を開発した。ポリフェノールやフラボノイド類が発する⾃家蛍光を網羅的に捉え、機械学習の⼿法によって⾼精度に成分評価が可能になることを⽰した。
スパイスをはじめとする植物体には、ポリフェノールやフラボノイド類など多くの有効成分が含まれる。これらの成分を抽出する際、わずかな条件の違いで効率は⼤きく変わる。抽出液にどの程度、有効成分が含まれているかを調べるのは容易ではない。
研究ではポリフェノールやフラボノイド類が発する蛍光を網羅的に計測して機械学習の⼿法を⽤いて解析を⾏うことで、⾼精度かつ簡単に総ポリフェノール量や抗酸化能を推定する⽅法を開発した。
研究グループは「今回は⼿作業で抽出液の希釈を⾏ったが、段階的に希釈しながら⾃動的に蛍光計測を⾏う装置なども開発できると考えられ、ますます⾼度化する機械学習⼿法との組み合わせにより、多くの複雑な混合物の特性評価に利⽤できる」と説明している。