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【慶應義塾×社会】人文社会学研究のニュー・スタイル 広く学外の人々と共に実践するプロジェクトを始動

慶應義塾大学の研究グループは、ライフストーリー研究とアートベース・リサーチを掛け合わせた新しい研究手法を市民らとともに始動する。専門研究者以外の人々にも調査協力者としてクラウドファンディングを通じてエントリーしてもらい、研究活動を共にすることで、従来にはないコミュニティ形成を目指す。

この試みを行うのは、岡原正幸慶應大名誉教授(慶應大協生環境推進室ダイバーシティ専門委員)、小倉康嗣文学部教授、金澤悠喜看護医療学部専任講師。

他者と共有された自分のライフストーリーを素材として、演劇的な身体表現を行い、鑑賞者に披露する。これはアートベース・リサーチ(ABR)という研究手法だが、岡原名誉教授と小倉教授が共同で運営している授業で、これまで延べ1200人もの学生が参加し実践してきた。

〝自分の人生は平凡で語ることがない〟と思っていても、その経験や体験は社会的にも公共的にも十二分な価値を持ち得る。自身ではドラマチックではないと思っていた人生にも十二分にドラマがあり、授業を通じ参加者が実感するという出来事が多くあった。それは「奇跡」といえるような出来事ともいえるが、科学で重視される数字やデータでは測れない、その人間らしさを感じる新しい研究方法は未だ広く普及していないのが現状。

この新しい研究手法をキャンパス内に留まらず多くの人々に知ってもらい、多くの人々と研究を進めるために、クラウドファンディングを通じて研究を実施することとなった。

今回のプロジェクトでは、寄付者の自薦・他薦により対象者(語り手)を募集し、ライフストーリー作品を制作する。プロジェクトのステップ・流れは次のとおり。