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東北大、医師会、NTTなどが診療カーによるオンライン診療 仙台市でサービス開始へ

東北大学大学院工学研究科と、一般社団法人仙台市医師会、公益社団法人仙台市薬剤師会、仙台市、東日本電信電話㈱宮城事業部(NTT東日本)は、診療カーによるオンライン診療サービスを仙台市で開始する。地域の医師不足が原因となり、患者が遠方の医療機関への通院を強いられ、受診機会の減少による地域医療格差の拡大が想定されることを踏まえて実施するもの。オンライン診療を活用することにより、市民のニーズに合わせた医療体制を構築し、地域差のない医療サービスが提供可能となることが期待される。東北大等では、実装を通して、持続可能な医療の提供に関して5者が連携してさらなる検討を推進する方針だ。

今年3月31日までの2カ月間にわたり、仙台市医師会、仙台市、東北大、NTT東日本が連携して、将来想定される医師不足や高齢化に対応するために〝患者側と医療側の双方にとって、より受け入れやすい簡便なオンライン診療〟を普及させることを目的とした実証を行った。

具体的には、看護師が医療機器を搭載した診療カーを用いて、患者を訪問・診療補助するオンライン診療モデルを採用。各種医療機器や通信環境の適用によるオンライン診療の質的効果の技術検証、有効性の評価を行った結果、以下の3点の課題が得られた。

◎高速広帯域なネットワークほど映像系や音声系(聴診音)等の品質は良く、遅延も少ない傾向となり、山間部でも4G(LTE)以上の環境であれば十分に実用可能

◎効率的な診療をするために、車両を用いたオンラン診療は必要であるが、車両の大きさ・車内レイアウト・複数の医療機器を利用する際の機器のオペレーションの改善や、より丁寧なマニュアルの整備が必要

◎生体音(心音、呼吸音等)の聴診は重要な診療項目の一つであり、対面診療に遜色のない医療を提供するためにも、センシングした生体音を劣化させることなく遠隔地に伝送する技術が必要

実証時に得られた結果から、4G(LTE)が使用可能なエリアで、オンライン診療実施に適する車両や医療機器を採用。今年度は、国のデジタル田園都市国家構想交付金(デジタル実装タイプTYPE2)を活用し、仙台市の「防災環境〝周遊〟都市・仙台モデル推進事業」デジタル田園都市国家構想の一環として、一部地域に社会実装する。

医師の定期訪問が困難な地域に居住する慢性期の疾患を有する患者宅に、医療機器を搭載した診療カーとともに訪問看護師が訪問。姿や表情だけでなく、聴診音や心電図、さらには超音波画像などを遠隔地の医師に伝える。