国立極地研究所と海洋研究開発機構は、海洋及び極域科学の観測研究を推進することを目的とした包括的な連携協定を締結した。2026年から就航する予定の北極域研究船の運用のための協力が期待されている。
「共同研究などの研究連携」「研究者交流」「人材育成支援」などに協力して取り組んでいく。両者は「今回の連携によって北極域研究船の運用に向けて国内外の北極域研究コミュニティへの支援を強化し、北極域に存在する諸課題の解決と持続可能な北極域の実現に資する研究活動を促進するとともに、研究者や技術者などの人材育成に貢献する」としている。
極地研とJAMSTECは、北極域・南極域の海洋観測を中心に、長年にわたり連携してきた。
特に、平成23年(2011年)にGRENE北極気候変動研究事業を開始以来、平成27年(2015年)に北極域研究推進プロジェクト(ArCS)、令和2年(2020年)北極域研究加速プロジェクト(ArCSⅡ)の代表機関(極地研)・副代表機関(JAMSTEC)としてわが国北極域研究を牽引。北極海氷予測の精度向上などさまざまな研究成果を挙げている。
JAMSTECが所有する海洋地球研究船「みらい」を中心にした大気・海洋観測の充実や国内外の若手研究者の人材育成、研究者交流などを積極的に行っている。
■国際研究プラットフォームとしての運用に期待
令和8年度から、日本初となる砕氷機能を有する研究船である「北極域研究船」(JAMSTECが現在建造中)が就航予定。北極域研究船は、海氷が存在する海域でも観測データが取得できるため、有する機能を最大限活用した国際共同観測研究を推進するとともに、国際プロジェクトの中心的役割を担う〝国際研究プラットフォーム”としての運用が期待されている。 今回の連携によって、「北極域研究船」の運用に向けて国内外の北極域研究コミュニティへの支援を強化し、北極域に存在する諸課題の解決と持続可能な北極域の実現に資する研究活動を促進するとともに、研究者や技術者などの人材育成に貢献することとしている。