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大規模地層掘削「西南極ロス海棚氷下掘削計画」 極地研などから3人が参加

11月から南極で始まる世界で初めての大規模地層掘削「西南極ロス海棚氷下掘削計画(SWAIS2C)」に、国立極地研究所の菅沼悠介教授、北海道大学の関宰准教授、富山大学の堀川 恵司教授が参加する。3人は資料の分析を担当するという。

南極大陸の西半球部である西南極では地球最大の氷のかたまりである氷床の融解が始まっている。これは、将来の温暖化によって大幅な海面上昇が懸念される。

プロジェクトでは、西南極の棚氷縁から約800キロメートル内陸の「ロス棚氷」最奥部で大規模な海底堆積物掘削を実施することで、過去の温暖期に西南極氷床がどの程度内陸まで融解していたかを明らかにする。

これにより全球気温が産業革命前より1〜2度上昇した近未来の氷床融解と海面上昇の予測の基礎となる科学的知見を引き出す。日本から参加する3人の研究者は、掘削した試料の地球化学的な分析を担当する。

海底堆積物の掘削位置(赤丸)
掘削方法