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【農工大】指輪型ウェアラブルデバイスで脳卒中患者の日常生活下の手指使用量を常時計測し、臨床評価に活用

東京農工大学の研究グループは、手指の使用量を常時計測可能な指輪型ウェアラブルデバイスを開発し、脳卒中片麻痺患者の日常生活下の手指使用量と脳卒中リハビリテーションで一般的に用いられる複数の臨床評価指標の関係について調査した。この研究の成果は、患者や療法士の主観に偏らないリハビリ介入戦略を検討する上で重要な評価指標の提供につながる可能性が期待される。

この研究は、大学院工学研究院先端情報科学部門の近藤敏之教授と同大学院工学府電子情報工学専攻博士後期課程在籍で湘南慶育病院理学療法士の山本直弥氏らが行った。

脳卒中患者のリハビリでは、日常生活での麻痺肢の積極的な使用が機能回復に重要であることが知られている。実際、リハビリの現場では、訓練が日常生活動作の改善にどの程度寄与しているかを定量評価するために、腕時計型の加速度計を両手首に装着して麻痺側・非麻痺側の上肢使用量を計測・評価するシステムが導入されている。

しかしながら、つまむ、握る、つかむなど日常生活動作の改善に重要と考えられる手指使用量については、低拘束に常時計測する方法がなかった。