東北大学大学院国際文化研究科国際政治経済論講座の劉研究室は、6月19日から7月18日にかけて、大学、研究機関、自治体、民間企業の協力により、東松島市の小学校を対象に体験型のSDGs出前授業を実施する。市内の七つの小学校から約280人参加が予定。
同研究室は東日本大震災直後から被災地の小学校で出前授業(復興教育)を行っており、2019年からはSDGs未来都市(※)である東松島市の小学校を対象にSDGs出前授業を展開している。
※SDGs未来都市:内閣府が 2018 年度より SDGs の達成に向けた取組を積極的に進める自治体を公募し、経済・社会・環境の三側面の統合的取組により、新たな価値を創造する提案を行った自治体を認定
ここ数年、漂着ごみやマイクロプラスチックのような海洋汚染問題、プラスチック廃棄物資源の海外輸出問題、レジ袋やストローなどの使い捨て用品の増加、コロナ禍の影響による容器包装廃棄物の急増など、世界各国で廃プラ問題が注目されている。また、都市鉱山として携帯電話やパソコンなどのリユースリサイクルにも関心が高まっている。
持続可能な開発目標(SDGs)の達成や循環経済の実現が求められているなか、被災地の子供たちにこれらの重要性をわかりやすく説明し、プラごみ、再生資源、材質の識別装置などに直接触れる機会を提供することは、通常の授業ではなかなか得られない体験となる。
この取り組みは産学官連携によって10年以上継続して実施されており、持続可能なまちづくり、地方創生、循環経済の実現に貢献することが期待される。