芝浦工業大学が主催する「高校化学グランドコンテスト」の最終選考会が先月、豊洲キャンパス(東京都江東区豊洲)で開催された。1位の文部科学大臣賞は池田高校SS部の「簡易アルカリろ紙法を用いた桜島火山地域における火山ガス測定」が受賞した。
同コンテストは3年生以下の高校生が行う学習研究活動を支援する教育支援プログラム。2004年から大阪市立大学を中心に実施されてきたが、新型コロナウイルス感染症禍を経て23年度からは芝浦工業大が主催している。
池田高校の研究は、鹿児島県などが実施している桜島の二酸化硫黄の測定に加えて、塩化水素、フッ化水素についても観測して、将来的には火山活動の指標となる現象の解明を目指すもの。アルカリろ紙を用いた火山ガス捕集装置と自作吸光時計を用いた新しい測定法が評価された。
また、化学未来賞に静岡北高校科学部水質班の「銅を用いた亜リン酸イオンの酸化回収法の開発」、化学技術賞に富山県立富山中部高校スーパーサイエンス部の「媒晶剤のカルボキシラ―トイオンのpHによる変化でコントロールするNaCl型結晶の形」が輝いた。
受賞した池田高校の同部で部長を務める吉井由さんは「今後は研究を続けながら、国際大会に向けてさらに研究内容を向上させて、私たちの研究を支えてくださった皆さまに恩返しをしたい」と語っている。