熊本大学では、同大特任教授らが開発した吟醸香クラフトビールが完成し、11月6日に熊大生協で限定販売を開始した。このビールは、大学院先端科学研究部附属生物環境農学国際研究センターの谷時雄特任教授(放送大学熊本学習センター所長)らの研究グループが新たに開発した「分裂酵母 Kumadai-Ⅿ23株」を使用。
フルーティで深みのある日本酒の香りに、スッキリとした甘みがある味わい。同株は、前回の「分裂酵母 Kumadai-M42株」を用いたクラフトビールよりも吟醸香の主成分であるカプロン酸エチルと酢酸イソアミルを高生産する株を使用していることもあり、より丸くふくよかで、深みのある上品な味わいになっている。
■瓶内長期熟成で味わいが向上
分裂酵母ジャポニカスは、一般にビール醸造に用いられる出芽酵母とは違い、均等に分裂していく珍しい酵母。このビールは熟成が特徴の一つであり、冷蔵庫での瓶内長期熟成により味わいが変化・向上した。
分裂酵母ジャポニカス熊大育種株を使ったビール醸造は、今年4月の販売に次ぐもので、前回同様、㈱ダイヤモンドブルーイングが製造。同大教育学部中学校教員養成課程美術科4年の梅木久美日さんがラベルをデザインした。
ラベルには、同大の校旗のカラーである紫紺とうこんを使用し、ワクワクした気持ちにクラフトビールの弾ける泡の様子が表現されている。
売り上げの一部は熊本大研究基金に寄附され、同大の研究活動推進に活用される。
予定価格 330 ml 700 円(税込)で、アルコール分 5.0%。販売数は330ml 250〜300本。