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高専デザコン、12日・13日に舞鶴で テーマは『session~新しい協働の形~』

一般社団法人全国高等専門学校連合会は、20回目となる「全国高等専門学校デザインコンペティション」(通称:デザコン2023in 舞鶴)」を11月12日㈯と13日㈰の両日、舞鶴市で開催する。

デザコンは、高専生が生活環境関連のデザインや設計等をコンペティション形式で競うコンテスト。独創的想像力と実践力に富む人材の育成を目的として開催されており、①空間デザイン、②構造デザイン、③創造デザイン及び④AMデザインの4部門と、本科1年から本科3年までの学生を対象にした⑤5プレデザコン部門‐の計5部門に分かれて競技を行う。

■予定調和の破壊と予見不可能な新しい価値創造

今回のメインテーマは、『session~新しい協働の形~』。〝session〟とは、他者同士の熱情が偶発的に衝突し、共鳴し、混合することによる、予定調和の破壊と予見不可能な新しい価値の創造の現場を意味する。連合会では「ここ数年のコミュニティ形成から始まるまちづくりや、多数の人々との協働の中で自ら成るような建築、デザインの在り方は、まるで〝session〟といえるのではないでしょうか」と、メインテーマに込めた意味を説明する。

今年度も各部門に数多くの作品が応募されており、コロナ禍を乗り越えてきた高専生が仲間たちと一緒に創り上げてきた多数の秀逸な作品による熱戦が期待される。

各課題では、以下のテーマで熱戦が繰り広げられる。

■空間デザイン部門 【住まいのセッション】:集まって生きるための住まいを提案する。これまでにない、新たな関係性によって共に住まう形を考えてもらうため、条件は〝20人の住まい〟とする。社会の状況での現在と未来を見定め、多様な人々が相互に関係しあう生き方を提案。そしてその生き方を、住まいの空間デザインとして表現する。

■構造デザイン部門 【つどい 支える】:舞鶴大会では、2021年呉大会から続いている紙を素材とした橋のデザインを競う。大会では、載荷直前に二つ以上の部材をつなぎ一つの橋にする(構造のsession)。さらに、固定荷重に加えて、衝撃荷重にも耐える橋とする(競技のsession)。素材の特徴をよく捉えてこれらの条件を満足させる「耐荷性」「軽量性」「デザイン性」に優れた橋を製作する。

■創造デザイン部門 【デジタル技術を用いた well‐beingに向けての都市と地域の融合】:舞鶴大会では、都市と地域の融合(session)をテーマに、3D都市モデルのオープンデータ「ProjectPLATEAU(プラトー)」を用いたアイデアを募集する。日本では都市の過密と地域の過疎が年々進行し、人々のwell‐being(充実した生)を損なっている。例えば、都市ではコロナ禍でも密な通勤ラッシュ、しかし、その一方で地域では商店街は疎になりシャッター街化が進んでいる。このような生き辛さや風景をこれからも受け入れるしかないのか。都市と地域を融合(session)させることで、人々のwell‐beingを高めるアイデアが期待される。