上智大学とカンボジア国立アンコール遺跡整備機構(アプサラ機構)が、日本政府の支援を受けて2016年が「アンコール・ワット西参道修復工事」の第2期工事が、間もなく完成する。8年の歳月をかけた共同作業で、11月4日にカンボジア・アンコールワットで完成記念式典が開かれる。
式典では、上智大から、工事で中心的な役割を果たしてきたのは石澤良昭教授やサリ・アガスティン上智学院理事長が登壇。カンボジアからはノロドム・シモハニ国王とプーン・サコナ分化芸術大臣が壇上に上がる予定。
アンコール・ワット西参道は、参詣者がアンコール・ワットの中央尖塔に向かうために設けられた環濠を横断する出入り口にあたり、過去に幾度か崩壊し、修復が繰り返されてきた。
同工事で中心的な役割を果たしてきたのはアジア人材養成研究センター所長の石澤良昭教授。石澤教授は、内戦で失われたカンボジア人遺跡保存官の人材養成のため、1991年からプノンペンの王立芸術大で考古学、建築学を学ぶ大学生のために集中講義を開始。1996年、西参道第一期修復工事の着工と同時に、シェムリアップ市内に上智大アジア人材養成研究センターを建設、修復工事現場に寄り添いながら、今日まで33年間にわたり保存官養成に尽力してきた。 現在、石澤教授の教え子たちは、大学教員や官僚など、同国の文化財・遺跡保全に係る分野を牽引する人材として活躍しています。石澤教授の業績と貢献は高く評価され、アジアのノーベル賞とも言われる「マグサイサイ賞」や「カンボジア王国王国友好勲章(サハメトレイ勲章)」等を受賞している。