一橋大学の野中郁次郎名誉教授が「経営思想へのユニークな貢献」を称えられ、ピーター・ドラッカー・ソサエティ・ヨーロッパから2023年度名誉フェローシップを授与された。
名誉フェローシップは、〝近代経営の創始者〟であるウィーン生まれのピーター・ドラッカーを記念し、経営の理論と実践への卓越した貢献を称えるもの。野中教授は、エイミー・エドモンドソン氏、タミー・エリクソン氏、リタ・マクグラス氏、ロジャー・マーティン氏に続き、2023年10月に5人目の名誉フェローとなった。
ピーター・ドラッカー・ソサエティ・ヨーロッパは、野中教授の「経営思想へのユニークな貢献」を称え、「知識ベースのマネジメント理論と実践に関する比類なき研究成果を、世界中の民間企業、公的機関、地域社会、国家における持続可能な組織と賢慮のリーダーシップのために役立てた」としている。
野中名誉教授は1935年東京生まれ。58年早稲田大政治経済学部卒業。カリフォルニア大学バークレー校経営大学院でPh.Ⅾ.取得。現在、一橋大名誉教授とともに、日本学士院会員、中小企業大学校総長などを務めている。2017年カリフォルニア大バークレー校から「生涯功労賞」を受賞。知識創造理論を世界に広めたナレッジマネジメントの権威で、ナレッジマネジメントは、世界中のビジネスリーダーに多大な影響を与え、多くの組織が野中名誉教授の知識創造理論を経営に応用している。主な著書に『失敗の本質』(共著、ダイヤモンド社)などがある。