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慢性硬硬膜下血腫の患者の術後の身体機能を予測 名大教授らがAIモデル開発

名古屋大学の齋藤竜太教授らの研究グループは、手術前のデータを用いて、慢性硬膜下血腫の患者における手術後の身体機能の状態を高精度に予測するAIモデルを開発した。開発された予測モデルは術後の身体機能の回復を目指した管理が必要性を把握できる可能性が示されている。

慢性硬膜下血腫による術後の身体機能の回復や生活の質は患者やその家族にとって大切である。この病気は手術によって治療できる病気だが、これまでの研究や治療法では術後の身体機能を正確に予測することは難しいとされてきた。

研究グループは利用可能な血液検査や頭部画像検査、背景因子、身体所見などの臨床情報から抽出した52種類の因子を基にAIモデルを訓練した。術後の身体機能の判定基準として修正 Rankin Scale (mRS)を用いて、術後の身体機能(mRS 3-6)を予測させた。

その結果、慢性硬膜下血腫の患者さんの手術後の身体機能を、91.9%という驚異的な精度で予測することが実現した。また、特に年齢や入院時の意識状態、血液検査のうちアルブミンという値などが予測結果に強い影響力を持つことが分かっている。

研究グループは今後について「開発されたAIモデルの技術的な側面の展開も考えている。このモデルの基盤となるアルゴリズムは、慢性硬膜下血腫だけでなく、他の疾患や手術に関するアウトカムにも応用可能であり、さまざまな病気における個別化医療の実現への一助となるかもしれない」と説明している。