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江戸時代の密偵「村田門左衛門」の研究結果を発表 彼の正体とは?(熊本大)

熊本大学の後藤典子特別研究員らのグループは、1651年に活躍した密偵「村田門左衛門」の正体を明らかにした。鎖国体制を維持するために鹿児島領で活躍した彼の仕事を解説している。

同年の密偵村田の報告書には、鹿児島城の被災や石垣構築の状況、鹿児島藩の経済状況など島津家中の高官からでないと入手できない情報ばかりが記載されていた。彼の正体の究明が大きな課題となっていた。

研究では「村田武平太先祖付」など3文章を解読した。それらの文章からは、村田門左衛門は細川家から密偵として派遣された地侍4人のうちの1人。細川家は琉球との交易を任された鹿児島藩の動向把握を幕藩体制の安定に寄与する役割だと考えていたそうだ。

任務を務めた褒美に密偵村田は、高5石が加増され、その後も10石取りの「地侍」として奉公したという。

研究グループは「彼らが鹿児島両へ密偵として入り込んで情報収集していたことは、ほとんど知られておらず収集していた情報の具体的内容は、村田門左衛門の報告書によってはじめて分かった。今回の発見が日本の近世国家の統合を維持する上で境目の地域住民らが果たした役割を追究する契機となることが期待される」としている。