長崎大学は、塩野義製薬㈱と共に最新の「マラリア」研究に関する記事を、世界的な国際的総合科学雑誌「Ｎａｔｕｒｅ（２０２３年６月２９日号）」のＮａｔｕｒｅ Ｏｕｔｌｏｏｋ Ｍａｌａｒｉａ特集に掲載した。

Ｎａｔｕｒｅ Ｏｕｔｌｏｏｋは、Ｎａｔｕｒｅ誌の編集陣が重要な科学のテーマを取り上げ、第一線の科学ジャーナリストやアカデミア、企業の専門家などの執筆による書下ろしの記事や、その分野の進展を裏付けるＮａｔｕｒｅ関連学術論文とともに紹介する特集だ。

特集では「Ｋｎｏｗ ｙｏｕｒ ｅｎｅｍｙ: Ｔｈｅ ｐａｔｈ ｔｏ ｍａｌａｒｉａ ｅｌｉｍｉｎａｔｉｏｎ」と題した記事広告の中で、金子修教授のマラリア原虫の赤血球への侵入機構の解明、北潔教授の抗マラリア薬の開発、皆川昇教授の新しいタイプの蚊帳によるマラリアの克服への取り組みを紹介している。

そして塩野義製薬との共同研究の中でワクチン開発に取り組む塩野義製薬の大本真也博士と長崎大学の水上修作博士が、その難しさと必要性を踏まえて挑戦する意義を産学連携の立場から語っている。

マラリアはエイズ、結核と並ぶ世界三大感染症の１つ。主に熱帯、亜熱帯地域を流行地とし、マラリア原虫をもった蚊に刺されることで感染する。年間の感染者数は世界で約２．５億人、死亡者数は約６２万人と報告されており、人類の脅威として世界的に深刻な問題となっている感染症。