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国産量子コンピューター3号機を公開 阪大が大学祭「まちかね祭」で

大阪大学は11月3日に豊中キャンパス(豊中市待兼山町)で開かれる大学祭「まちかね祭」で、量子生命研究センター(QIQB)が中心となって開発を進めている国産量子コンピューター3号機の中身を公開する。

今年3月に理研で、国産量子コンピュータ初号機が稼働した。超伝導型の量子ビットチップを用いたもので、クラウド経由で量子ソフトウェアからの指令を受けてマイクロ波パルスを用いて制御する。阪大QIQBはマイクロ波の制御装置やクラウドソフトウェアの開発を担当した。

また10月5日には、理研と富士通㈱は理研と共同して2号機の開発に成功したと発表した。QIQBでは理研からテストチップを提供してもらい、量子ソフトウェア・クラウドソフトウェア・制御装置の開発を進めるテストベッドを構築してきた。

今後、QIQBでは、3号機としてクラウド公開する計画を進めており、今回の開封作業で、そのためのチップ交換や配線の変更などを行う。

QIQBの3号機の特徴は、希釈冷凍機とごく一部の低温マイクロ波コンポーネントを除いて、ほとんどの構成部品(低温マイクロ波ケーブル、低温増幅器、低雑音電源、磁気シールド、チップパッケージ、制御装置、超伝導増幅器、超伝導ケーブル、量子ビットチップなど)を国産で揃えたこと。今後、国産部品がクラウド量子コンピュータとして性能を発揮することを示す。

イベントでは午前10時から冷凍機の開封作業を始め、11時から理化学研究所より提供いただいた量子ビットチップの付け替え作業などを行い、すべての作業を一般公開する。さらに午前10時30分から1時間おきに量子コンピュータの紹介プレゼンテーションを15分で開催する。

説明員として根来誠准教授、塩見英久特任教授、小川和久講師のいずれかが常駐する。空き時間にはQIQBの紹介ビデオが上映される予定。