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高等教育資格承認情報センター(NIC‐Japan)が開催 7年度第1回NIC-Japanセミナーシリーズ 「FCE(外国学歴・資格評価)研修特別プログラム」

大学改革支援・学位授与機構内に設置されている高等教育資格承認情報センター(NIC‐Japan)は、令和7年度第1回NIC‐Japanセミナーシリーズ「FCE(Foreign Credential Evaluation:外国学歴・資格評価)研修特別プログラム」をこのほど開催した。

NIC‐Japanは、学生や研究者の国際的なモビリティ向上を目的とした高等教育資格の円滑な承認に資する情報提供活動の一環として、海外の教育制度や資格審査の事例等、資格承認にまつわる諸テーマについて国内外の有識者が講演する「NIC‐Japanセミナーシリーズ」を令和3年から実施している。

今回は、外国の学修履歴を有する者からの出願資格・入学審査等を行う大学等の教職員を対象に、留学生の受け入れに係る外国学歴・資格評価人材の育成を目的とした国内初の大規模研修として、第1部をハイブリッド形式、第2部を対面によるワークショップ形式で開催した。

プログラムの進行を同センター・森利枝センター長が務め、第部では服部泰直・大学改革支援・学位授与機構長の開会挨拶に続き、堀田泰司・同センターシニアアドバイザーから「外国での学習歴を有する者(外国出身志願者)の出願資格審査に関する調査」について発表が行われた。

堀田シニアアドバイザーは、調査結果に基づいた日本の大学等における審査体制の課題を指摘し、高等教育界全体でFCEに係る「透明性・再現性・説明可能性の向上」と「誤認・遅延の縮減」の重要性を認識する必要があることを強調した。

続いて、ノルウェー高等教育・技能局(HK‐dir)のシニアアドバイザーを務める孟冬冬(モウトウトウ)氏が、「アジア地域の学位・資格のFCEをめぐる現状と課題、問題点」と題して、近年増加している中国国内の公立学校の国際部や私立の国際高校からの留学生の出願書類や資格等について、中国の現状を交えながら具体的な解説が行われた。さらに、証明書類の真正性を確認するための様々な手段について紹介した。

活発に行われた質疑応答

星明廣・公益財団法人アジア学生文化協会国際教育支援事業部長は、外国の大学が発行した成績証明書やディプロマサプリメントのサンプルを共有し、学校教育法に基づいて大学入学資格を判断する際のポイントを解説した。星氏からも孟氏と同様に、外国学習歴を評価する際には、当該教育機関や提供されている課程、さらに生徒/学生が取得した資格や学位について、法令への適合を踏まえつつ、学習歴や資格の同等性を丁寧に検証することが不可欠であると説明された。

第2部の対面によるワークショップでは、中国やベトナム、ネパール等の学位証明書等の資料(事例)を用い実際に検証する演習が実施されたほか、FCEに関して参加者の所属大学において必要とされる事項を論点として、課題の改善に向けた活発な意見交換が行われた。

ネットワーキングの様子

プログラムには、国内の高等教育機関等から第1部にオンライン・対面を合わせて約320名、第2部(対面形式)には35名が参加した。

当日の第1部の動画と講演資料は、同センターのウェブサイト(https://www.nicjp.niad.ac.jp/news/NICseminar_FCE_report.html)に掲載している。