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日本IBMと順天堂大 最適な転院先を調べる「AIマッチングシステム」を開発

(左)順天堂医院の山路健・副院長(右)日本アイ・ビー・エムの金子達哉・執行役員

日本アイ・ビー・エムと順天堂大学は4日、順天堂大学付属医院の患者の転院を支援する「AIマッチングシステム」の構築と運用に向けた取り組みを始めた。電子カルテと生成AI(人工知能)の連携は初で、現場の業務負担を2割ほど減らせるという。

AIマッチングシステムは電子カルテのバックアップデータと生成AIをつなげて、最適な転院先を検索するシステム。転院業務の20%以上を効率化できると計算されている。患者満足度や医療サービスの質向上にも貢献できるという。

今後は地域の医師会や介護業界と連携して、登録施設を拡大していく予定。現在は約4000件で試行しており、登録施設数1万件程度を目標としたい考え。医療や介護施設で使ってもらうことで、労働人口の不足対策にも役立てられる。

順天堂医院の山路健・副院長は「適切な時期に適切な環境への退院に向けた問題解決やその後のサポートが重要だ」と指摘。「患者の身体の問題などを抽出し、そのサポートができる施設などへの退院を支援する」としている。