北海道大学サステイナビリティ推進機構と札幌テレビ放送(STV)は、「北海道大学×STV SDGsデー2024」をこのほど開催した。
午前のオープニングイベントでは、理学部5号館大講堂で、北大総合博物館の小林快次教授が「最新恐竜研究2024」と題して講演。このイベントには300組を超える事前申込の中から抽選で選ばれた親子など226人が参加した。STVの急式裕美・解説委員の進行で行われた講演で、小林教授は昨年にモンゴルとウズベキスタンで行った発掘調査を伝えるため、数多くの写真を投影し、今後発表する論文の内容の一部紹介も含めて発掘作業の魅力を語った。

また昨今の気候変動の影響として、台風襲来のため調査スケジュールを変更した経験や、モンゴルで風雨に襲われたことを紹介した。「地球はすでに5度の大量絶滅期があった」とし、現在も地球温暖化により動植物が絶滅の危機に瀕していると警鐘を鳴らした。質問コーナーでは、多くの子どもたちが手を挙げ、「恐竜の首が長い理由」や「発掘で一番うれしいこと」などを小林教授に熱心に質問した。
午後には同博物館で、恐竜、遺跡、岩石・鉱物、植物をテーマとした4つのワークショップを開催。約120人が参加した。参加者は本物の化石やレプリカに触れるとともに、札幌キャンパス内の樹木を観察しながら担当教員の専門的な講義を聞いた。
また、1日を通して、同博物館の収蔵品や北海道の自然を題材にした9種類のカードを見つけ出す探検カードラリーを実施。約550人が参加した。同博物館内のカフェ「ぽらす」では、恐竜にちなんだ限定メニューが提供されるなど、気候変動や持続可能性について楽しく学んで体験するイベントとなった。

概要
・日時:2024年11月2日(土)9:30-17:00
・オープニングイベント(会場:理学部5号館2階大講堂)
「最新恐竜研究2024」(北海道大学総合博物館 小林快次 教授)
・ワークショップ(会場:同総合博物館及び構内)
「恐竜の骨を観察しよう!」(同総合博物館 小林快次 教授)
「遺跡の骨を分析しよう」(同総合博物館 江田真毅 教授)
「のぞいてみよう岩石・鉱物の役割」(同総合博物館 北野一平 助教)
「ガチ観楓会」(同総合博物館 首藤光太郎 助教)
・探検カードラリー(会場:同総合博物館1~3階)
・制作したカード:「オオセンチコガネ」「浮島湿原」「シシャモ」「幌満かんらん岩」
「ハシボソガラス」「コモチソゾ」「エゾヒグマ」
「針入れ(アホウドリ類・上腕骨製)」「ニッポノサウルス」
※ 制作したカードは、同総合博物館の坪田敏男館長(獣医学研究院教授)、小林教授、大原昌宏教授、江田教授、阿部剛史准教授、北野助教、首藤助教、田城文人助教、許開軒特任助教が監修した。