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最先端ERなど 東京医歯大「機能強化棟」が10月に稼働

東京医科歯科大学病院は、約3年かけて工事を行ってきた『Ⅽ棟(機能強化棟)』を10月1日にオープンする。高度急性期医療提供機能を強化・充実させるための施設で、ERセンター、ハイブリッド手術室、感染症対策のICUなど主要な機能が稼働を開始する。

Ⅽ棟は(機能強化棟)は地下2階、地上7階建てで、延べ床面積は約1万5000㎡。地下2階に強力な免震装置を設置することで、防災機能を強化。巨大地震発生時にも医療体制を継続できるように設計されている。

地下1階には、ERセンターを配置。処置室7室、最新鋭のCT機器を擁したER手術室、重症初療室2室があり、従来のERセンターと合わせると都内最大級の収容力を有することとなる。3階にはER(ER‐ICU(集中治療室)・HCU(高度集中治療室))を設置した。

4階は医療器材の洗浄、滅菌管理等を行い、有事の際にも十分な医療品を提供できるように備蓄・管理を行う材料部がある。5階のICU‐HCU病棟には、感染症対応4室を含む25床の完全個室を配置し、6階はハイブリッド手術室2室、バイオクリーンルーム1室など手術室7室。7階屋上には、太陽光発電のソーラーパネルやグリーンスペースが設けられている。

新施設のうち、特にICU‐HCUは、①全室個室、②外光が差し込む、③感染対策用病室を用意、④さまざまな処置時の動線を人間工学的に分析‐するなど、多数のスタッフの意見の結晶となっているという。個室のICU‐HCUも珍しいが、それぞれに収納式トイレを設置するなど、他に類を見ないつくりとして、患者のQOLやプライバシー確保に努めている。

6階のハイブリッド手術室は、手術台と血管撮影装置(エックス線撮影装置)を組み合わせたもの。弁膜症に対するカテーテル治療を開始するとともに、高難度不整脈治療に特化した手術を円滑に遂行することができる。

 また、手術室の規模拡大により、大腸がんにロボット手術が行える環境も整った。さらに、カテーテル治療と外科治療を組み合わせた手術など、循環器内科と心臓血管外科が協力して行う手術や大動脈ステント治療なども可能となった。