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新型コロナ後遺症の「体のだるさ」 漢方の補中益気湯で改善? 研究開始 岡山大

岡山大学

岡山大学の大塚文男教授らのチームは26日、新型コロナウイルス(COVID-19)の後遺症である「体のだるさ」の研究を開始した。18歳以上で1~6カ月前にCOVID-19と診断され、コロナ後遺症の症状がある患者を募集している。

新型コロナの後遺症には、体のだるさや嗅覚・味覚障害、頭痛などさまざまな症状が報告されており、中でも体のだるさは最も多い症状だ。後遺症の治療薬はいまだに存在しないのが現状である。岡山大の後遺症専門のコロナ・アフターケア外来は、漢方薬「補中益気湯」(ほちゅうえっきとう)に効果を実感していたが、治療法として確立するための臨床研究はしていなかった。

今回、チームは日本医療研究開発機構(AMED)から受託を受けてその分析を始める。実験では、参加者が補中益気湯かプラセボ薬を1日2~3回の服用する。さらに、心電図や採血、採尿を通院で行って体への影響を調べるという。

大塚教授らは「体のだるさのあるコロナ後遺症に対して、補中益気湯が治療選択肢として提供できる可能性につながる」と紹介。「将来的にコロナ後遺症の治療ガイドラインの作成に貢献できる」と意義を伝えている。