左から)磯博康・副会長、光石衛・会長、日比谷潤子・副会長、三枝信子・副会長
日本学術会議は22日に総会を開き、法人化に向けた国の有識者懇談会の最終報告書を会員に報告している。「大臣任命の評価委員が存在すれば、独立した立場から指摘することが困難」といった否定的な意見が相次いだ。
報告書では会員定員数を250~300人程度にするとし、任期は6年だが再び会員として選ぶことを可能にするべきとした。会長は連続した選出が可能だが「会長選考委員会」などを置き、資質を評価する。さらに、大臣任命の委員が実績を検討する「レビュー委員会」を設置するとしている。
会員からは「(日本学術会議などの)ナショナルアカデミーは国から独立することが不可欠。国任命の委員からの評価が行われるのは権威主義国家以外にはほとんど存在しない」という指摘や「日本学術会議が損得なしに指摘できる立場であることが必要だ」と主張がでていた。
一方で、光石衛(みついし・まもる)会長は総会で「存続も危うい状況で、会議の助言機能がどこまで有効になっているのか。日本学術会議が反省すべき課題がなかったかと言えば、そうでもない」と述べた。
内閣府は昨年8月に日本学術会議のあり方に関する有識者懇談会を設立。菅義偉元首相による任命拒否問題を受けて、国から独立した法人化のため15回に渡って議論を重ねた結果の最終報告書を示している。