自治医科大学ホームページより
自治医科大学は14日、オリジナルのデータである「一次的データ」の不足により同大准教授が論文の捏造を行っていたと発表した。対策として、研究者として基本的な事柄を確認するための「研究、論文発表チェックリスト」を新たに定めて公開、チェックできるようにしている。
昨年7月、研究不正を取り上げるウェブサイトに准教授が責任著者の論文に画像の重複使用が指摘された。実際に実験を行っていない可能性を示しており、それを受けて同大は書面調査とヒアリングを実施した。
その結果、個々のデータを取得した日時の記録や検討過程、再現性の確認プロセスも実験ノートに記載されていないことが多かった。聞き取りでも、疑義の対象となった図を提示できず、本人もどの画像がどのような実験のものか把握できていない場面が散見されたという。
同大は、故意ではなく悪意のない過誤であった可能性は否定できないとしつつ、不正の疑いを覆す証拠を示せない場合に特定不正行為とみなす規定に基づいて、ウェブサイトの指摘部分を捏造と結論付けている。
再発防止策として「研究活動の不正防止に関する運用ガイドラインを改定し、日々の研究活動を適切に記録・保管し、研究発表時にその内容を一次記録にさかのぼり確認することを定め、全教職員に個別に通知し周知した」としている。