東京藝術⼤学を中⼼とする産学官の共創プロジェクト「共⽣社会をつくるアートコミュニケーション共創拠点」の研究成果発表の⼀環として、⼤正から昭和にかけて横浜市⺠の交通を⽀えた路⾯電⾞「横浜市電」を仮想空間上で再現した体験型展⽰会を9月23日㈯から10月9日(⽉・祝)まで横浜市中区本町の旧第⼀銀⾏横浜⽀店1階で開催する。
主催は藝大「共⽣社会をつくるアートコミュニケーション共創拠点」と横浜市⽴⼤学コミュニケーション・デザイン・センター。
昭和初期に製造された現存する最古の横浜市電500型⾞両(横浜市電保存館所蔵)を超⾼密度で3次元スキャンすることで、これまでにない⽔準でデジタル化し、そのデータからつくられた仮想の⾞両空間の中に4Dスキャン(volumetric capture)による⼈物のイメージを出現させる。4Dスキャンは同展作家の桒原寿⾏が次世代の視覚表現のために開発している技術。
展⽰会場の旧第⼀銀⾏横浜⽀店は、1929年(昭和4年)に建設された横浜市認定歴史的建造物。500型⾞両のデジタル復元の展⽰に、ふさわしい趣をあたえるものといえる。
同展は500 型⾞両のデジタルでの復元にとどまらず、約1世紀にわたって蓄えられた経年変化の痕跡、⾞両設計者の思い、市電に乗⾞した経験のある人々の〝想い出〟〝記憶〟などを映像で重ね合わせ、〝新しい〟と〝懐かしい〟を同時に体験できる展⽰となっている。会場では、3Dプリンターで再現した500型⾞両の模型、市電に関わる備品や当時の切符、4Dスキャン技術のコンセプト展⽰も同時に⾏う。
「市電」というモビリティツールをモチーフとしたアート作品をきっかけに、実際に市電を体験した世代だけでなく、若い世代まで〝動く〟きっかけになることを⽬指している。