東北大学病院は6日、国内で初めて毎週土曜日に放射線治療を実施できる体制を整えた。来年1月から前立腺がんの放射線治療を開始する。働く世代や遠方に住む患者らが治療を進めやすくなりそうだ。
従来、前立腺がんの放射線治療は連日の通院が必要だったが、技術の進歩により週1回の照射を1日2回行う新たな治療法が近年では実施されている。この治療を週末に実施することで日常生活への負担がなく医療が受けられるという。同病院は2022年からMRI装置と放射線治療装置が融合した「MRリニアック」を用いることで週ごとの通院治療を可能としていた。
張替秀郎(はりがえ・ひでお)病院長は「時間的な制約や東北地区特有のアクセスの悪さから治療が難しかった患者に新たな治療機会を提供できるようになる」とし、「がん患者さんの治療環境の改善や、働きながら治療を受けることができる社会の実現に貢献していく」と説明している。