静岡大学工学部の能見公博教授の研究グループは、超小型衛星『STARS-X』を9月7日に完成させた。同日午後1時30分、浜松キャンパス総合研究棟1階で機体を公開。その後コンテナに搭載し、最終確認試験を実施する宇宙航空研究開発機構(JAXA)の筑波宇宙センターに向けて出荷した。
超小型衛星STARS-Xプロジェクトは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の公募する「革新的衛星技術実証3号機」の実証テーマに選定されたもの。選定されたテーマは、『宇宙テザー技術を用いたデブリ捕獲の技術実証』。
STARS-Xは50㎏級衛星で、これまでのSTARSプロジェクトの衛星と比較すると大型な衛星になる。今回のミッションは、宇宙空間でテザー(ロープ・ワイヤ)を1㎞伸展することと、テザー上をロボットが移動する。さら、自衛星から放出したダミーの宇宙デブリ(ゴミ)をネットで捕獲する実験を行うことも使命としている。
長距離テザー上をロボットが移動する技術は、宇宙エレベーターへと繋がることが期待されている。また、宇宙空間での移動は宇宙デブリ(ゴミ)への接近技術へ、ネットによるダミー物体捕獲は宇宙デブリ除去へ推進に、大きく貢献するものとみられる。