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成城学園初等学校が「理科教育賞」大賞受賞 優れた理科教育を表彰

学校法人成城学園初等学校(東京都世田谷区)は、日産財団が主催する「2022年度日産財団理科教育助成 第12回理科教育賞」で、大賞を受賞した。9月5日に成城学園で贈呈式が行われ、表彰状と楯が贈られた。

「理科教育賞」は、日産財団が、科学的思考力をもった人材の育成を応援するため、財団からの助成を使用して優れた研究成果を出した教育機関に与えられる栄誉。

今回大賞となった成城学園初等学校の研究テーマは【「プロジェクト解決ハイブリッドカー」から新たな価値を創造できる子を育てる】。昨年度の6年生が、これまで学んできた様々なエネルギーを力に変えるための方法を活用して、授業で実践した車づくりの活動をまとめたもの。

ハイブリットカーを通して、既存教科である理科との関係性が考慮されたSTEAM教育を実践している授業であることが大きく評価され、大賞に栄誉に輝いた。大賞を受賞した同校の活動は次のとおり。

【活動内容】

初等学校6年生の授業内で、これまで学んできた様々なエネルギーやエネルギーを力に変えるための方法を活用して、児童たちがチームで協力しあってハイブリッドカーを作る活動を行った。児童たちは、現代社会が抱えるエネルギー問題を話し合いながら、「センサー車」や「永遠に動く車」など、自分たちが考える理想の車についての案を出し合い、さまざまな材料を使って制作。制作後は完成した車の発表会を実施、自分たちが目指したことや苦労した点などを報告するプレゼンテーションを行い、実際に車を走らせた。

【活動の成果】

①児童のエネルギーに対する考えの大幅な変容を見ることができた。

②チームで取り組むことで問いを創り、上手くいかないこともチームで共有し振り返りをすることで、新たな方向性へ向かう力が児童についた。

③自分の意見を出したりチーム評価を受けたりする中で、他者の価値観を認める姿勢が身についた。

【財団による活動の評価点】

ハイブリッドカーを題材とした、既存教科である理科との関係性もしっかりと考慮されたSTEAM教育として評価する。時期をずらせて実施するなどの未知の単元指導における配慮や、事前・事後の Google フォームでのアンケートによる成果の測定なども評価できる。意欲的な発展途上の実践と推察でき、今後のさらなる展開に期待したい。